今回は、テレビCMを放送する際の発注単位として用いられる「世帯視聴率」による 世帯GRP (Gross Rating Point)や、「ターゲット視聴率/個人視聴率」によるTRP/個人GRP という単位についてや、TVCM の 視聴人数 について、そして、1人あたりの到達単価やCPM について書いてみます。
◎ GRP とTRP とは何か
以前にも少し書きましたが、 テレビCM の出稿量を表す単位として、昔から使われている世帯視聴率による「GRP」(延べ視聴率/Gross Rating Point)と、最近使われるようになった「ターゲット視聴率/個人視聴率」による「TRP」(ターゲット視聴率/個人GRP/Target Rating Point)というものが利用されています。
これは、テレビの視聴率を積み上げた数値で、テレビCMが流れた時間帯の視聴率の合計数値と考えてください。
※個人視聴率/世帯視聴率についてはこちら(↓)の記事を参照ください。
◎ 視聴率1%の 視聴人数 は?
では、視聴率10%の番組は、何人の人が見たことなるでしょうか?
下記に「世帯視聴率」及び「個人視聴率」別に、視聴率1%あたりの 視聴人数 / リーチ数を記載しておきます。
テレビ視聴可能世帯数/人数(2017)※ビデオリサーチのデータを参照
※世帯数 | 世帯数 | 1%あたり |
関東地区 | 18,567,000 | 185,670 |
関西地区 | 7,159,000 | 71,590 |
名古屋地区 | 3,915,000 | 39,150 |
※人数 | 4歳以上人口 | 1%あたり |
関東地区 | 40,818,000 | 408,180 |
関西地区 | 15,738,000 | 157,380 |
名古屋地区 | 9,249,000 | 92,490 |
最近のテレビ番組の視聴率ってどれくらいなのでしょうか?イメージが湧きやすいように、最近の番組の視聴率から視聴世帯数& 視聴人数 を計算してみました。
『ドラゴン桜』
世帯視聴率(14.4%)、個人視聴率(9.3%)
※2021年6月6日(関東)
⇒ 18,567,000世帯 × 14.4% = 2,673,648世帯 が視聴
⇒ 40,818,000人 × 9.3% = 3,796,074人 が視聴
『コントがはじまる』
世帯視聴率(8.4%)、個人視聴率(4.7%)
※2021年6月5日(関東)
⇒ 18,567,000世帯 × 8.4% = 1,559,628世帯 が視聴。
⇒ 40,818,000人 × 4.7% = 1,918,446人 が視聴
★いろいろな番組が、どのくらいの視聴率だったかを知りたい時は こちらをご覧ください。※ビデオリサーチ社のページ
◎ テレビCMの リーチ単価、CPM は?
最後に、テレビCMの視聴世帯数/人数やコストについてみていきましょう。
テレビCMの購入は、
世帯GRPやTRP/個人GRP(関東、関西等の都市部から個人GRPになってきている)を単位として、1500GRP(世帯)分とか 700GRP(個人)とかTRPで700%分とかで売買されています。
正確に言うと、クライアント(メーカーなどの発注主)から「広告代理店」を通して「テレビ局」に注文します。
最初に説明したように、1GRPは視聴率1%で、500GRPを発注すると延べ500%分の視聴率分の放送枠にテレビCMを流せることになります(ちょっと雑な説明ですが・・)。
そして、お金の話に移りますが、
このGRP/TRPには、パーコストと言って「視聴率1%あたり」の金額が設定されています(需要供給の関係で変動します)。
このパーコストは、「在京キー局」で、世帯GRPで8万円〜10万円程度、TRP/個人GRPでその倍の16〜20万円程度となっています(一番主流の15秒CMを想定)。
ということで、
これらの数値から1人あたりの「リーチ単価」と「CPM(千人あたりのリーチ単価)」を計算してみると、
TRP/個人GRPでパーコスト16万円の場合、
リーチ単価:0.39円、CPM:391円 と、ネット広告と比べても、とっても安価で消費者にリーチできることが分かります。
※超細かい話ですが、視聴率で用いる世帯数とか人数と、CMで実際に到達する人数は測定方法(計算する母数)が少々異なるため違ってきますのでご注意ください。
ということで、まだまだテレビCMが人気なわけですね。
ではまた!
「《保存版》視聴率やGRP1%の 視聴人数 について」への2件のフィードバック